「かたみ」のレコード

Mさんへ
私より一回り若いMさんはまだ実感がないでしょうが・・・。
先日同じ歳の友人が亡くなって遺品として残されたレコードとCDです。
学生時代クラリネットをやっていました。本格的でかなりのものでした。
楽器は遺族の方へ形見として渡っていましたが、
彼が生前渡していたようで、どこかの時点で諦めたのでしょう。
病気で倒れて、1年前住まいを移すとき わたしへもう聴くことは無いのでレコードをやる、と言いましたが、私は大事なので持っておくように伝えたのでした。
どんな気持ちだったのかと思うと目頭が熱くなります。
人工透析をしていましたが 独り身のかれは
曲わっぱ弁当箱に自ら詰めた昼食と、ウォークマンとCD、ヘッドフォンを持って
通院していたようです。
私はこれまで私のオーデオルームに一度も誘いませんでしたし
私に行きたいとも言いませんでした。
彼にとって珍しいレコードは無かったようです。
彼の残されたCDやレコードを見てわかります。

病気療養中に聴くだろうと私が彼に送ったのはジネット・ヌブー(全)でした。
喜んだかどうかは知る由はありませんが・・・。
もっと音楽の話を聞きたいでしたが・・・
数少ない音楽の話が出来る友人を また失いました。
日本ではこういう場合残された遺族がレコードに関心がなければ
段ボール箱一つ(50枚くらい)500円でリサイクル業者に渡ってしまいます。
悲しいです。そういう話をたくさん聞いてきました。

・・他人事のように言いますが、
そう遠くない時に私も同じ立場に立たされるのは必至です。

やっぱレオポルド・ウラッハのモーツアルトとベートーベンです。
演奏家は誰が好きか、と質問するとウラッハ、ウウエストミンスター
としかいいませんでした。50年代のモノ録音ですがいいレコードは
プレミアものです。私は彼のアドバイスでそのウエストミンスターの
レコードを買いました。デッカ版に匹敵しています。


ベートーベンのピアノはケンプです。
 メリハリがはっきりして力強い演奏で
この演奏から元気をもらっていたのでしょう。

ドビッシーはミケランジェロとチッコリーニ。
チッコリーニはサテイだけしか聴いていませんでした。

バッハの無伴奏チェロ組曲全で
カザルス、シュタルケル、フルニエ、トルトーリエ
ロストロボーヴィッチ、鈴木秀美と一通りあります

バッハ全集の一部、私の所に同じCDがあります。
オーストラリアのK君が 買って見たけど余り曲が持てないので
古川なら喜ぶだろうと持て来てくれたもので、廉価盤ですが・・

バッハのマタイとヨハネ受難曲で
右がカール・リヒターの1979年で晩年の録音です。
リヒターは1954年がありますが、オーソドックスな演奏は前期です。
左は1986年オランダのドープヘヅインデ教会
グズタフ・レオンハルト総指揮始めて見ました。

モーツアルトのピアノソナタは
クララ・ハスキル、イングリッド・ヘブラー、リリークラウス
そして上のバレンボイムです。
ピアノ協奏曲全集はマルコム・ビルソン指揮がガーデナー

            
 フジコ・ヘミング
               


フルトベングラーのベートーベン

マーラーは1番から9番まで。
バーンスタイン、ショルティ、ワルター、テンシュテット、クレンペラー
ハイテンク、マゼール。私と見事に重なりました。


ラフマニノフ、自作自演

レクイエムは、モーツアルト、ベルディ、フォーレ
これも全部重なりました。

鈴木重子、ジャズシンガーですが
彼のCDの中でクラシック以外でほんの数枚の中の4枚です。
偶然ですが私の親友の画家城ヶ崎悟の絵の個展でコラボをした人です。
彼がCDを聴いているとわかっていたら誘ったのに、と今更仕方がありません。

右後ろはレコードですが整理は後日します。
まとまって特徴的なCDをピックアップしましたが
彼のコレックションに無く意外に思えたのが
ショパン、は一枚もありません。演奏家ではグールドが一枚も無く
これはレコードでもそうでした。
CDはクラシックが500枚あります。
そのものは送れませんが、関心のあるものがあればコピーするか
データー化してメールファイル添付で送ります。

3月末から5月末までローマです。
あまり期待は出来ませんがレコードも探してみます。
なにせベルディ、パガニーニ、好きな歴史的作曲家は目白押しですので
レコードが無いはずがありません。