Mさんへ  グレン・グールドとバースタイン


前のメールでベートーベンのピアノ協奏曲でグールドも上げ、さほど個性的ではないと書きましたが 4番は特徴的(グールド的)です。
特に1楽章のテンポが他の人に比べてゆっくりでやっぱりグールドだと気づかせます。
指揮がレナード・バーンスタイン ニューヨークフィルです。
ブラームスのピアノ協奏曲第1番     1962年録音
※1962年4月ニューヨーク・フィルの定期演奏会(カーネギーホール)
これを連想させます。 伝説の演奏会と言われた時のレコードです。
1楽章の楽譜の解釈、テンポでグールドとバーンスタインは話し合ったけど意見がまとまらないまま演奏に突入、ただその前にバーンスタインはマイクを手に取って聴衆に語りかけたのです。
異例中の異例だったそうで・・・
・・いささか、オーソドックスでない演奏、際立って遅いテンポと、ブラームスの強弱指示からの頻繁な離脱とで・・・・・夢想だにしなかった演奏を聴こうといています。・・・・
誰がボスか、独奏者なのか、指揮者なのか・・・・
・・・我々が今あなたにお届けするのが、この冒険する精神のうちにあるのもなのです。
というような内容の前置きをスピーチしてから演奏に入ったのです。
スピーチではグールドを一応評価しながらも楽譜の解釈に一致を見なかっただけに
2人の共演はまるで・・・喧嘩、とまではなくても聴くからにテンポが合っていないのです。
それがベートーベンの協奏曲の4番も1楽章がにたようなテンポですが
ま、こちらは合意があったのでしょう、テンポは遅いながらもオーケストラとピアノは合っています。
バーンスタインのことを考えると多少はらはらしながら聴いてしまいます。
協奏曲の面白いところですが。
※このレコードのA面冒頭にバースタインのスピーチは入っています。


グールドはこの2年後、一切の演奏活動を中止しました。