Mさんへ リパッティは是非聴いて欲しい

知人のクラシックフアン(特にレコードではありません)が
このピアニストを聴いたことがないといいました。
その知人は知り合いのピアノ教師に尋ねたそうで、
その人曰く「ピアノを習った人ならりパティを知らない人はいないでしょう。」と
言われたそうで、それなら聴いてみたいということで・・。
CDへ入れて知人へ送りました。
気に入ってもらえたようで、それからしばらく仕事場(病院)のBGMに使っていました。
病気の演奏家と言ってもワルツは円舞曲ですから暗いはずがありません。

50年代のモノラル録音で音はけっして良いとは言えないので
余程この人を知っていて興味がない限りレコードを買うもの好きはいなかったでしょう。

生涯でプレスされたのはレコードにして10枚足らずです。
私の手元にあるので全部です。(ヴァイオリンのジネット・ヌヴーに似ています)
アメリカの中古レコード店ならLP単体なら大抵見つかると思います。

りパティにまつわるエピソードはたくさんあります。

ショパンのワルツ集は
世界的有名なある指揮者に音楽雑誌のインタビューで
”無人島へ流される時1枚だけレコードを持って行っていいと言われたら
何を選ぶか”に迷わず”りパティのワルツ”と答えたそうです。


アルフレッド・コルトーは
ウイーンの国際ピアノコンクールの審査員で17歳のりパティを1位に推したけど
2位に、それに憤慨したコルトーは審査員を辞めてりパティを連れてパリへ・・
自ら教育をしたのです。

幼いころから病弱で最後は白血病で33で亡くなる。
死と向かい合った壮絶な人生です。

NHKのラジオ(午後のマリアージュという番組)で聞いた話です。
テレビドラマ「ウルトラセブン」の最終回ラストシーンで使われた音楽が
シューマンのピアノ協奏曲イ短調作品54で
この演奏が誰のものか判らず、2年も掛けて探した人がいたそうです。
わかったのがピアノがりパティ、楽団がフィルハーモニア指揮がカラヤン。
1948年録音
数多いレコードの中から選ばれた1枚だったことを突き止めたと・・。
※この曲はりパティとアンセルメ指揮スイス・ロマンドのレコードもあります。
ドラマ製作の関係者は地球と人類を救おうと満身創痍で戦うウルトラセブンと
重度の病で死と対峙しながら演奏していたりパティと重ねたようで
それだけではなく演奏そのものも緊張感とか音も符号してと感じたからでしょう。
・・この演奏以外には無いと意見だったようで・・。

ショパンのワルツ集は年1947年録音盤
ラストコンサート(告別演奏会)ブザンソン音楽祭1950年9月
の2つあります。
ラストコンサートでは用意していた2番変イ長調が
力尽きて演奏できず、しばらく間をおいて、最後に演奏したのが
バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」教会カンタータ第147番で
これが録音はされたのですがレコードに入っていないので残念です。
この年の12月に33歳で亡くなっています。

http://booklog.kinokuniya.co.jp/nei/archives/2013/08/post_18.htmll

http://www.hananoe.jp/classical/takuminomori/takuminomori029.html